Edge for Private Cloud v4.19.01
一般的な Edge のインストールは、複数のノードに分散された Edge コンポーネントで構成されます。Edge をノード上にインストールしてから、そのノードに 1 つ以上の Edge コンポーネントをインストールして構成します。
インストール プロセス
Edge のインストール プロセスは、次の複数のステップで構成されます。
- ノード上の SELinux を無効にするか、制限なしモードに設定します。詳細については、Edge apigee-setup ユーティリティをインストールするをご覧ください。
- Cassandra 認証を有効にするかどうかを決定します。
- Postgres 用のマスター / スタンバイ レプリケーションを設定するかどうかを決定します。
- 推奨されるトポロジのリストから、Edge 構成を選択します。たとえば、テスト用として単一のノードへの Edge をインストールしたり、本番用として 13 個のノードにインストールしたりできます。詳細については、インストール トポロジをご覧ください。
- 選択したトポロジの各ノード上に Edge
apigee-setup
ユーティリティをインストールします。- Edge の
bootstrap_4.19.01.sh
ファイルを/tmp/bootstrap_4.19.01.sh
にダウンロードします。 - Edge
apigee-service
ユーティリティと依存関係をインストールします。 - Edge
apigee-setup
ユーティリティと依存関係をインストールします。詳細については、Edge apigee-setup ユーティリティをインストールするをご覧ください。
- Edge の
- 選択したトポロジに基づいて、
apigee-setup
ユーティリティを使用して各ノードに 1 つ以上の Edge コンポーネントをインストールします。ノードに Edge コンポーネントをインストールするをご覧ください。
- Management Server ノード上で、apigee-setup ユーティリティを使用して、Edge 組織の作成と管理に使用するユーティリティである apigee-provision をインストールします。
詳細については、組織のオンボーディングを行うをご覧ください。
- 次の例に示すように、インストールの完了後に、各ノードの Edge UI コンポーネントを再起動します。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service edge-ui restart
インストールの完了後に、インストール後の一般的なアクションのリストをご覧ください。
インストールを実行できるユーザー
Apigee Edge 配布ファイルは、RPM と依存関係のセットとしてインストールされます。Edge RPM のインストール、アンインストール、更新を行うには、root ユーザー、または sudo フルアクセス権限を持つユーザーがコマンドを実行する必要があります。sudo フルアクセス権限があるということは、root と同じ操作を実行する sudo アクセス権がユーザーにあることを意味します。
以下のコマンドやスクリプトを実行するユーザーはすべて、root であるか、sudo フルアクセス権限が付与されている必要があります。
- apigee-service ユーティリティ:
- apigee-service コマンド:
install, uninstall, update
- apigee-all コマンド:
install, uninstall, update
- apigee-service コマンド:
- Edge コンポーネントをインストールする setup.sh スクリプト(必要な RPM のインストールにまだ「
apigee-service install
」を使用しておらず、root または sudo フルアクセス権限が必要とされていない場合)。 - Edge コンポーネントを更新する update.sh スクリプト
また、Edge インストーラにより、システム上に「apigee」という名前の新しいユーザーが作成されます。Edge コマンドの多くは、sudo を呼び出して「apigee」ユーザーとして実行します。
上記以外のすべてのコマンドを実行するユーザーは、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限が付与されている必要があります。これらのコマンドには次のものがあります。
-
以下を含む apigee-service ユーティリティ コマンド:
start, stop, restart, configure
などの apigee-service コマンドstart, stop, restart, configure
などの apigee-all コマンド
「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーの作成
「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限をユーザーに構成するには、「visudo」コマンドを使用して sudoers ファイルを編集して以下を追記します。
installUser ALL=(apigee) NOPASSWD: ALL
installUser は、Edge を扱うユーザーのユーザー名です。
構成ファイルに対するアクセス許可の設定
Edge コマンドで使用されるファイルやリソースはすべて、「apigee」ユーザーからアクセスできる必要があります。これには、Edge ライセンス ファイルとすべての構成ファイルが含まれます。
構成ファイルの作成時に、次のようにオーナーを「apigee:apigee」に変更することで、Edge コマンドに確実にアクセスできるようにします。
- このファイルを任意のユーザーとしてエディタで作成します。
chown
を使用してファイルのオーナーを「apigee:apigee」に変更するか、また Edge サービスを実行するユーザーを「apigee」ユーザーから変更している場合は、chown を実行してファイルのオーナーを Edge サービスを実行しているユーザーに変更します。
root ユーザーと root 以外のユーザーの Edge インストール タスクの分離
Edge のインストール プロセス全体を root ユーザーか sudo フルアクセス権限のあるユーザーによって実行することが最も簡単な方法ですが、常にこのようにできるとは限りません。代替の方法として、プロセスを root ユーザーが実行するタスクと、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーが実行するタスクとに分けることができます。
- root ユーザーが実行するタスク:
bootstrap_4.19.01.sh
ファイルをダウンロードして実行します。curl https://software.apigee.com/bootstrap_4.19.01.sh -o /tmp/bootstrap_4.19.01.sh
sudo bash /tmp/bootstrap_4.19.01.sh apigeeuser=uName apigeepassword=pWord
このステップで
apigee-service
ユーティリティがインストールされ、「apigee」ユーザーが作成されます。- 「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーの作成の説明に沿って、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つようにユーザーを構成します。
apigee-setup
ユーティリティをインストールします。/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service apigee-setup install
apigee-setup
ユーティリティを使用して、ノードに Edge RPM をインストールします。/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service compName install
ノードにインストールする Edge RPM は、トポロジによって異なります。使用できるコンポーネントには以下が含まれます。
apigee-provision, apigee-validate, apigee-zookeeper, apigee-cassandra, apigee-openldap, edge-management-server, edge-ui, edge-router, edge-message-processor, apigee-postgresql, apigee-qpidd, edge-postgres-server, edge-qpid-server
- root ユーザーがノードに Edge RPM をインストールした後に、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーが構成プロセスを完了させます。
setup.sh
ユーティリティを使用して、ノード上の Edge コンポーネントの構成を完了します。コマンドの形式は、ノードにインストールしたコンポーネントによって異なります。完全なリストについては、ノードに Edge コンポーネントをインストールするをご覧ください。たとえば、ZooKeeper と Cassandra のインストールを完了するには、次のコマンドを使用します。
/opt/apigee/apigee-setup/bin/setup.sh -p ds -f configFile
configFile は Edge 構成ファイルです。
また、オールインワン インストールを実行するには、次のコマンドを使用します。
/opt/apigee/apigee-setup/bin/setup.sh -p aio -f configFile
インストール構成ファイルの場所
Edge インストールに関する情報が含まれる構成ファイルを apigee-setup
ユーティリティに渡す必要があります。サイレント インストールの唯一の要件は、「apigee」ユーザーから構成ファイルへのアクセスと読み取りが可能であることです。たとえば、ノードの /usr/local/var
ディレクトリまたは /usr/local/share
ディレクトリにファイルを配置して、chown
を使用して「apigee:apigee」にオーナーを変更します。
Edge システム管理者のパスワードを除き、構成ファイル内のすべての情報が必要です。パスワードを省略した場合、コマンドラインで apigee-setup
ユーティリティから入力を求められます。
詳細については、ノードに Edge コンポーネントをインストールするをご覧ください。
インストール エラーの処理
Edge コンポーネントのインストール中にエラーが発生した場合は、問題を修正してインストーラを再試行できます。インストーラは、エラーが検出された場合や、インストール後にコンポーネントの変更や更新が必要になった場合に繰り返し実行できるように設計されています。
インストールや更新の後は、Edge UI コンポーネントが実行される各ノードを必ず再起動してください。
インターネットまたはインターネット以外のインストール
Edge をノードにインストールするには、そのノードが Apigee リポジトリにアクセスできる必要があります。
- 外部インターネット接続があるノード
外部インターネット接続があるノードは、Apigee リポジトリにアクセスして Edge RPM と依存関係をインストールします。
- 外部インターネット接続がないノード
外部インターネット接続がないノードは、内部に設定されたミラー バージョンの Apigee リポジトリにアクセスできます。このリポジトリにはすべての Edge RPM が含まれますが、内部ネットワーク上のリポジトリから他のすべての依存関係を利用できることを保証する必要があります。
Apigee の内部リポジトリを作成するには、ノードが外部とインターネット接続できるようにし、Edge RPM と依存関係をダウンロードできるようにする必要があります。内部リポジトリを作成したら、そのリポジトリを別のノードに移動したり、そのノードを Edge ノードからアクセスできるようしたりして、インストールに使用できます。
ローカル Edge リポジトリを使用した Edge バージョンの管理
ローカル リポジトリやミラーリングされたリポジトリを使用する理由の 1 つは、前のセクションで説明したように、外部インターネット接続がないノードに Edge をインストールするためです。
RPM インストールの依存関係の解決
Apigee Edge 配布ファイルは、RPM ファイルのセットとしてインストールされ、それぞれに独自のインストール依存関係チェーンがあります。このような依存関係の多くは、Apigee の管理外にあるサードパーティ コンポーネントによって定義され、随時変更される可能性があります。このため、このドキュメントには、各依存関係の明示的なバージョン番号は記載されていません。
インターネット アクセスのあるマシン上でインストールを実行する場合は、ノードで必要な RPM と依存関係をダウンロードできます。しかし、インターネット アクセスがないノードからインストールする場合は通常、必要な依存関係のすべてが含まれる内部リポジトリを設定します。ローカル リポジトリにすべての依存関係が含まれることを保証する唯一の方法は、インストールを試行し、不足している依存関係があるかどうかを確認して、インストールが正常に完了するまでそうした依存関係をローカル リポジトリにコピーすることです。
一般的な Yum コマンド
Linux 用 Edge インストール ツールは、コンポーネントのインストールと更新を Yum に依存しています。ノード上のインストールを管理するには、複数の Yum コマンドの使用が必要な場合があります。
- すべての Yum キャッシュをクリーニングする。
sudo yum clean all
- Edge コンポーネントを更新する。
sudo yum update componentName
例:
sudo yum update apigee-setup
sudo yum update edge-management-server
ファイル システムの構造
Edge ではすべてのファイルが /opt/apigee
ディレクトリにインストールされます。
このガイドと Edge のオペレーション ガイドでは、ルート インストール ディレクトリが次のように記載されています。
/opt/apigee
インストールでは、次のファイル構造を使用して Apigee Edge for Private Cloud がデプロイされます。
ログファイル
apigee-setup
スクリプトと setup.sh
スクリプトのログファイルは、/tmp/setup-root.log
に書き込まれます。
各コンポーネントのログファイルは、/opt/apigee/var/log
ディレクトリに保存されます。各コンポーネントには独自のサブディレクトリがあります。たとえば、Management Server のログは次のディレクトリにあります。
/opt/apigee/var/log/edge-management-server
次の表は、ログファイルの場所のリストです。
コンポーネント | 場所 |
---|---|
Management Server |
/opt/apigee/var/log/edge-management-server
|
Router |
/opt/apigee/var/log/edge-router
Edge Router は Nginx を使用して実装されます。追加のログについては、以下をご覧ください。
|
Message Processor |
/opt/apigee/var/log/edge-message-processor
|
Apigee Qpid Server |
/opt/apigee/var/log/edge-qpid-server
|
Apigee Postgres Server | /opt/apigee/var/log/edge-postgres-server |
Edge UI | /opt/apigee/var/log/edge-ui |
ZooKeeper | /opt/apigee/var/log/apigee-zookeeper |
OpenLDAP | /opt/apigee/var/log/apigee-openldap |
Cassandra | /opt/apigee/var/log/apigee-cassandra |
Qpidd | /opt/apigee/var/log/apigee-qpidd |
PostgreSQL データベース | /opt/apigee/var/log/apigee-postgresql |
apigee-monit |
/opt/apigee/var/log/apigee-monit |
データ
コンポーネント | 場所 |
---|---|
Management Server | /opt/apigee/data/edge-management-server |
Router | /opt/apigee/data/edge-router |
Message Processor | /opt/apigee/data/edge-message-processor |
Apigee Qpid エージェント | /opt/apigee/data/edge-qpid-server |
Apigee Postgres エージェント | /opt/apigee/data/edge-postgres-server |
ZooKeeper | /opt/apigee/data/apigee-zookeeper |
OpenLDAP | /opt/apigee/data/apigee-openldap |
Cassandra | /opt/apigee/data/apigee-cassandra/data |
Qpidd | /opt/apigee/data/apigee-qpid/data |
PostgreSQL データベース | /opt/apigee/data/apigee-postgres/pgdata |
apigee-monit |
/opt/apigee/data/apigee-monit |
インストール時にシステム チェックを有効にする
Edge インストールの構成ファイルでは、次のプロパティがサポートされます。
ENABLE_SYSTEM_CHECK=y
このプロパティを「y」に設定すると、インストールするコンポーネントの CPU とメモリの要件をシステムが満たしているかどうかがチェックされます。デフォルト値は「n」で、チェックが無効になっています。