Edge のインストールが成功した後、さらにインストールの検証、設定の調整、構成のカスタマイズなどの一般的な作業をいくつか行います。これらのタスクは次のとおりです。
| タスク | 説明 |
|---|---|
| Edge コンポーネントでコマンドを呼び出す | apigee-service ユーティリティを使用して、各 Edge コンポーネントの起動、停止、再起動、ステータスの確認を行います。 |
| Edge コンポーネントを構成する | プロパティ ファイルを使用して、デフォルトの Edge コンポーネント設定を変更します。 |
| apigee-validate を実行する | テスト スクリプトを実行して、各コンポーネントのインストールに問題がないことを確認します。 |
| JVM ヒープ設定を調整する | 各ノードの Java メモリ設定を最適化します。 |
| LDAP パスワード ポリシーを管理する | デフォルトの LDAP パスワードを変更し、さまざまな認証設定を構成します。 |
| apigee-monit をノードにインストールする | ノード上のコンポーネントを監視して失敗した場合に再起動を試みるツールを、インストールして使用します。 |
| デフォルトの PostgreSQL パスワードを変更する | Apigee では、データのセキュリティを維持するために、Edge for Private Cloud のインストール後にデフォルトの PostgreSQL パスワードを変更することをおすすめします。 |
| PostgreSQL パージジョブを設定する | 分析サービスで収集した過剰データをプルーニングします。 |
| Cassandra nodetool repair を設定する | すべてのノードにわたって一貫性を確保するには、定期的に Cassandra リングのメンテナンスを行う必要があります。 |
| 自動起動を有効にする | リブート時に Edge for Private Cloud が自動的に再起動するようにします。 |
| 新しい Edge UI をインストールする | 新しい Edge UI は、Apigee Edge for Private Cloud のデベロッパーおよび管理者向けの強化されたユーザー インターフェースです。これをインストールすることをおすすめします。 |
これらは、Edge のインストール後によく行われる作業の一部にすぎません。その他の操作や管理作業については、Edge の構成方法と操作をご覧ください。
Edge コンポーネントでコマンドを呼び出す
Edge インストールの管理に役立つ管理ユーティリティが /opt/apigee/apigee-service/bin にインストールされています。たとえば、apigee-all ユーティリティを使用すれば、ノード上のすべての Edge コンポーネントの起動、停止、再起動、ステータスの確認を行えます。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-all stop|start|restart|status|version
apigee-service ユーティリティを使用して、個々のコンポーネントを制御したり構成したりします。apigee-service ユーティリティの実行形式は次のとおりです。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service component_name action
ここで component_name はコンポーネントを表します。このコンポーネントは、apigee-service を実行するノード上に存在する必要があります。構成に応じて、component_name には以下の値を指定できます。
apigee-cassandra(Cassandra)apigee-openldap(OpenLDAP)apigee-postgresql(PostgreSQL データベース)apigee-qpidd(Qpidd)apigee-sso(Edge SSO)apigee-zookeeper(ZooKeeper)edge-management-server(Management Server)edge-management-ui(新しい Edge UI)edge-message-processor(Message Processor)edge-postgres-server(Postgres Server)edge-qpid-server(Qpid Server)edge-router(Edge Router)edge-ui(Classic UI)
これらのコンポーネントに加えて、構成によっては apigee-provision コンポーネントと apigee-validate コンポーネントに対しても apigee-service を呼び出すことができます。
たとえば、Edge Router を再起動するには、次のコマンドを実行します。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service edge-router restart
ノードにインストールされているコンポーネントをすべて確認するには、/opt/apigee ディレクトリを調べます。このディレクトリには、ノードにインストールされている各 Edge コンポーネントのサブディレクトリが 1 つずつあります。各サブディレクトリには次の接頭辞が付いています。
apigee: Edge が使用するサードパーティ コンポーネント。例:apigee-cassandraedge: Apigee 製の Edge コンポーネント。例:edge-management-serveredge-mint: Monetization コンポーネント。(例:edge-mint-management-server)。
実行可能なアクションはコンポーネントによって異なりますが、次のアクションはすべてのコンポーネントでサポートされています。
start, stop, restartstatus, versionbackup, restoreinstall, uninstall
Edge コンポーネントを構成する
インストール後に Edge を構成するには、.properties ファイルと Edge ユーティリティを組み合わせて使用します。たとえば、Edge UI の TLS または SSL を構成するには、.properties ファイルを編集して必要なプロパティを設定します。.properties ファイルの変更を適用するには、対象の Edge コンポーネントを再起動する必要があります。
.properties ファイルは /opt/apigee/customer/application ディレクトリにあります。このディレクトリには、コンポーネントごとに固有の .properties ファイルが存在します。たとえば、router.properties や management-server.properties です。
コンポーネントのプロパティを設定するには、対応する .properties ファイルを編集してから、そのコンポーネントを再起動します。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service component restart
次に例を示します。
/opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service edge-router restart
Edge を更新するときは、/opt/apigee/customer/application ディレクトリにある .properties ファイルが読み取られます。つまり、そのコンポーネントに設定したプロパティは更新後も保持されます。
Edge の構成の詳細については、Edge の構成方法をご覧ください。
apigee-monit をノードにインストールする
ノードへのコンポーネントのインストールが完了した後、必要に応じて apigee-monit ユーティリティを追加できます。apigee-monit はノード上のコンポーネントを監視し、コンポーネントの障害を検知した場合はその再起動を試みます。詳細については、apigee-monit による自己回復をご覧ください。
SymasLDAP サーバーを読み取り専用に構成する
Edge 環境に SymasLDAP サーバーが含まれるが、そのサーバーにトラフィックを切り替える必要がない場合は、そのサーバーを読み取り専用に構成することをおすすめします。手順は次のとおりです。
- サーバーでファイル
mark_readonly.ldifを作成して、以下の行を追加します。dn: olcDatabase={2}mdb,cn=config changetype: modify replace: olcReadOnly olcReadOnly: TRUE - サーバーで次のコマンドを実行して、サーバーを読み取り専用にします。
ldapmodify -a -x -w "$APIGEE_LDAPPW" -D "$CONFIG_BIND_DN" -H "ldap://:10389" -f mark_readonly.ldif
プライマリ サーバーで障害が発生した場合は、次の手順で切り替え処理を行って、スタンバイ サーバーをプライマリとして使用できます。
- スタンバイ サーバーでファイル
mark_writable.ldifを作成して、以下の行を追加します。dn: olcDatabase={2}mdb,cn=config changetype: modify replace: olcReadOnly olcReadOnly: FALSE - スタンバイ サーバーで次のコマンドを実行します。
ldapmodify -a -x -w "$APIGEE_LDAPPW" -D "$CONFIG_BIND_DN" -H "ldap://:10389" -f mark_writable.ldif