このトピックでは、Cassandra データストアのトラブルシューティングと問題の修正の手順について説明します。Cassandra は、ハイブリッド ランタイム アーキテクチャの cassandra
コンポーネントで実行される永続データストアです。ランタイム サービス構成の概要もご覧ください。
Cassandra Pod が保留状態のままになる
症状
起動時の Cassandra Pod の状態が Pending のままです。
エラー メッセージ
kubectl
を使用して Pod の状態を表示すると、1 つ以上の Cassandra Pod が Pending
状態で停止していることがわかります。Pending
状態は、Kubernetes がノード上の Pod をスケジュールできないことを示します。Pod を作成することはできません。例:
kubectl get pods -n namespace
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
adah-resources-install-4762w 0/4 Completed 0 10m
apigee-cassandra-0 0/1 Pending 0 10m
...
考えられる原因
Pod が保留状態のままになる原因は、いくつかあります。例:
原因 | 説明 |
---|---|
リソースの不足 | Pod を作成するのに十分な CPU またはメモリがありません。 |
ボリュームが作成されていない | Pod は、永続ボリュームの作成を待機しています。 |
診断
kubectl
を使用して Pod を記述し、エラーの原因を特定します。例:
kubectl -n namespace describe pods pod_name
例:
kubectl -n apigee describe pods apigee-cassandra-0
出力に次のいずれかの問題が表示されることがあります。
- リソースが不十分な場合は、CPU またはメモリが不足していることを示す警告メッセージが表示されます。
- エラー メッセージに、Pod にバインドされていない即時 PersistentVolumeClaim(PVC)があることが示されている場合、その Pod は永続ボリュームを作成できません。
解決
リソースの不足
Cassandra ノードプールを変更して、十分な CPU とメモリリソースを確保します。詳細については、ノードプールのサイズを変更するをご覧ください。
永続ボリュームが作成されない
永続ボリュームの問題を特定する場合は、PersistentVolumeClaim(PVC)を記述し、作成されない理由を判断します。
- クラスタ内の PVC を一覧表示します。
kubectl -n namespace get pvc NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE cassandra-data-apigee-cassandra-0 Bound pvc-b247faae-0a2b-11ea-867b-42010a80006e 10Gi RWO standard 15m ...
- 障害が発生した Pod の PVC を記述します。たとえば、次のコマンドは、Pod
apigee-cassandra-0
にバインドされた PVC を記述します。kubectl apigee describe pvc cassandra-data-apigee-cassandra-0 Events: Type Reason Age From Message ---- ------ ---- ---- ------- Warning ProvisioningFailed 3m (x143 over 5h) persistentvolume-controller storageclass.storage.k8s.io "apigee-sc" not found
この例では、
apigee-sc
という名前の StorageClass が存在しません。この問題を解決するには、デフォルトの StorageClass を変更するの説明に従って、欠落している StorageClass をクラスタ内に作成します。
Pod のデバッグもご覧ください。
Cassandra Pod が CrashLoopBackoff 状態から先に進まない
症状
起動時の Cassandra Pod の状態が CrashLoopBackoff のままです。
エラー メッセージ
kubectl
を使用して Pod の状態を表示すると、1 つ以上の Cassandra Pod が CrashLoopBackoff
状態になっていることがわかります。この状態は、Kubernetes が Pod を作成できないことを示しています。例:
kubectl get pods -n namespace
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
adah-resources-install-4762w 0/4 Completed 0 10m
apigee-cassandra-0 0/1 CrashLoopBackoff 0 10m
...
考えられる原因
Pod が CrashLoopBackoff
状態から先に進まない原因はいくつかあります。例:
原因 | 説明 |
---|---|
データセンターが以前のデータセンターと異なる | このエラーは、Cassandra Pod に以前のクラスタのデータが含まれた永続ボリュームがあり、新しい Pod が古いクラスタに参加できないことを示しています。これは通常、同じ Kubernetes ノードに以前の Cassandra クラスタからの古い永続ボリュームが残っている場合に発生します。この問題は、クラスタで Cassandra を削除して再作成した場合に発生することがあります。 |
トラストストア ディレクトリが見つからない | このエラーは、Cassandra Pod が TLS 接続を作成できないことを示しています。これは通常、指定された鍵と証明書が無効である、存在しない、あるいはその他の問題がある場合に発生します。 |
診断
Cassandra のエラーログを確認して、問題の原因を特定します。
- Pod を一覧表示して、失敗した Cassandra Pod の ID を取得します。
kubectl get pods -n namespace
- 失敗した Pod のログを確認します。
kubectl logs pod_id -n namespace
解決
Pod のログで次の手がかりを探します。
データセンターが以前のデータセンターと異なる
このログメッセージが表示される場合:
Cannot start node if snitch's data center (us-east1) differs from previous data center
- クラスタ内に最新ではない、つまり古い PVC があるかどうかを確認し、あれば削除します。
- これが新規インストールの場合は、すべての PVC を削除して設定しなおします。例:
kubectl -n namespace get pvc
kubectl -n namespace delete pvc cassandra-data-apigee-cassandra-0
トラストストア ディレクトリが見つからない
このログメッセージが表示される場合:
Caused by: java.io.FileNotFoundException: /apigee/cassandra/ssl/truststore.p12 (No such file or directory)
キーと証明書がオーバーライド ファイルで提供されている場合は、それらが正しく、有効であることを確認します。例:
cassandra: sslRootCAPath: path_to_root_ca-file sslCertPath: path-to-tls-cert-file sslKeyPath: path-to-tls-key-file
ノード障害
症状
起動時の Cassandra Pod の状態が Pending のままです。このような問題は、基になるノードの障害を示している場合があります。
診断
- 実行されていない Cassandra Pod を特定します。
$ kubectl get pods -n your_namespace NAME READY STATUS RESTARTS AGE cassandra-0 0/1 Pending 0 13s cassandra-1 1/1 Running 0 8d cassandra-2 1/1 Running 0 8d
- ワーカーノードを確認します。NotReady 状態のノードがあれば、それが障害ノードです。
kubectl get nodes -n your_namespace NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-30-1-190.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-1-22.ec2.internal Ready master 8d v1.13.2 ip-10-30-1-36.ec2.internal NotReady <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-2-214.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-2-252.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-2-47.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-3-11.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-3-152.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2 ip-10-30-3-5.ec2.internal Ready <none> 8d v1.13.2
解決
- ダウンしている Cassandra Pod をクラスタから削除します。
$ kubectl exec -it apigee-cassandra-0 -- nodetool status
$ kubectl exec -it apigee-cassandra-0 -- nodetool removenode deadnode_hostID
- アフィニティによって Cassandra Pod がデッドノードで起動しないようにするため、デッドノードから VolumeClaim を削除します。
kubectl get pvc -n your_namespace
kubectl delete pvc volumeClaim_name -n your_namespace
- ボリューム テンプレートを更新し、新しく追加されたノードの PersistentVolume を作成します。ボリューム テンプレートの例を次に示します。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: cassandra-data-3 spec: capacity: storage: 100Gi accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Retain storageClassName: local-storage local: path: /apigee/data nodeAffinity: "required": "nodeSelectorTerms": - "matchExpressions": - "key": "kubernetes.io/hostname" "operator": "In" "values": ["ip-10-30-1-36.ec2.internal"]
- 値を新しいホスト名または IP に置き換え、テンプレートを適用します。
kubectl apply -f volume-template.yaml