Edge のインストールの概要

一般的な Edge インストール環境は、複数のノードに分散された Edge コンポーネントで構成されます。Edge をノード上にインストールしてから、そのノードに 1 つ以上の Edge コンポーネントをインストールして構成します。

インストール プロセス

Edge のインストール プロセスは、次の複数のステップで構成されます。

  1. ノード上の SELinux を無効にするか、制限なしモードに設定します。詳細については、Edge apigee-setup ユーティリティをインストールするをご覧ください。
  2. Cassandra 認証を有効にするかどうかを決定します。
  3. Postgres 用のマスター / スタンバイ レプリケーションを設定するかどうかを決定します。
  4. 推奨されるトポロジのリストから、Edge 構成を選択します。たとえば、テスト用として単一のノードへの Edge をインストールしたり、本番用として 13 個のノードにインストールしたりできます。詳細については、インストール トポロジをご覧ください。
  5. 選択したトポロジの各ノード上に Edge apigee-setup ユーティリティをインストールします。
    • Edge bootstrap_4.50.00.sh ファイルを /tmp/bootstrap_4.50.00.sh にダウンロードします。
    • Edge apigee-service ユーティリティと依存関係をインストールします。
    • Edge apigee-setup ユーティリティと依存関係をインストールします。

      詳細については、Edge apigee-setup ユーティリティをインストールするをご覧ください。

  6. apigee-setup ユーティリティを使用して、選択したトポロジに基づいて各ノードに 1 つ以上の Edge コンポーネントをインストールします。

    Edge コンポーネントをノードにインストールするをご覧ください。

  7. Management Server ノードで、apigee-setup ユーティリティを使用して apigee-provision をインストールします。これは、Edge 組織の作成と管理に使用するユーティリティです。

    詳細については、組織のオンボーディングを行うをご覧ください。

  8. 次の例に示すように、インストールの完了後に、各ノードの Classic UI コンポーネントを再起動します。
    /opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service edge-ui restart
  9. (推奨)初期インストールが完了した後、新しい Edge UI (コンポーネント名は edge-management-ui)をインストールすることをおすすめします。新しい Edge UI は、Apigee Edge for Private Cloud のデベロッパーと管理者向けの強化されたユーザー インターフェースです。

    詳細については、新しい Edge UI をインストールするをご覧ください。

インストールが完了したら、インストール後の一般的なアクションのリストをご覧ください。

インストールを実行できるユーザー

Apigee Edge 配布ファイルは、RPM と依存関係のセットとしてインストールされます。Edge RPM のインストール、アンインストール、更新を行うには、root ユーザー、または sudo フルアクセス権限を持つユーザーがコマンドを実行する必要があります。sudo フルアクセス権限とは、root ユーザーと同じ操作を実施できる sudo アクセス権限をユーザーが持っていることを意味します。

以下のコマンドやスクリプトを実行するユーザーはすべて、root であるか、sudo フルアクセス権限が付与されている必要があります。

  • apigee-service ユーティリティ:
    • apigee-service コマンド: install, uninstall, update
    • apigee-all コマンド: install, uninstall, update
  • Edge コンポーネントをインストールする setup.sh スクリプト(必要な RPM のインストールにまだ「apigee-service install」を使用しておらず、必要に応じて root または sudo フルアクセス権限が必要とされていない場合)。
  • Edge コンポーネントを更新する update.sh スクリプト

また、Edge インストーラにより、システム上に「apigee」という名前の新しいユーザーが作成されます。Edge コマンドの多くは、sudo を呼び出して「apigee」ユーザーとして実行します。

上記以外のすべてのコマンドを実行するユーザーは、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限が付与されている必要があります。たとえば、次のようなコマンドです。

  • apigee-service ユーティリティ コマンド。次のものがあります。
    • apigee-service コマンド。start, stop, restart, configure など。
    • apigee-all コマンド(start, stop, restart, configure など)。

「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーの作成

あるユーザーに「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を与えるには、visudo コマンドを使用して sudoers ファイルに次の行を追加します。

installUser        ALL=(apigee)      NOPASSWD: ALL

ここで、installUser は Edge を使用しているユーザーのユーザー名です。

構成ファイルに対するアクセス許可の設定

Edge コマンドで使用されるファイルやリソースはすべて、「apigee」ユーザーからアクセスできる必要があります。これには、Edge ライセンス ファイルとすべての構成ファイルが含まれます。

構成ファイルの作成時に、次のようにオーナーを「apigee:apigee」に変更することで、Edge コマンドに確実にアクセスできるようにします。

  1. このファイルを任意のユーザーとしてエディタで作成します。
  2. chown を使用してファイルのオーナーを「apigee:apigee」にするか、Edge サービスを実行するユーザーを「apigee」から変更した場合は、chown を使用して、ファイルのオーナーを Edge サービスを実行しているユーザーにします。

root ユーザーと root 以外のユーザーの Edge インストール タスクの分離

Edge のインストール プロセス全体を root ユーザーか sudo フルアクセス権限のあるユーザーによって実行することが最も簡単な方法ですが、常にこのようにできるとは限りません。代替の方法として、プロセスを root ユーザーが実行するタスクと、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーが実行するタスクとに分けることができます。

  1. root が実行するタスク:
    1. bootstrap_4.50.00.sh ファイルをダウンロードして実行します。
      curl https://software.apigee.com/bootstrap_4.50.00.sh -o /tmp/bootstrap_4.50.00.sh
      sudo bash /tmp/bootstrap_4.50.00.sh apigeeuser=uName apigeepassword=pWord

      このステップで apigee-service ユーティリティがインストールされ、「apigee」ユーザーが作成されます。

    2. 「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーの作成の説明に従って、あるユーザーに「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を与えます。
    3. apigee-setup ユーティリティをインストールします。
      /opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service apigee-setup install
    4. apigee-setup ユーティリティを使用してノードに Edge RPM をインストールします。
      /opt/apigee/apigee-service/bin/apigee-service compName install

      ノードにインストールする Edge RPM は、トポロジによって異なります。使用できるコンポーネントには、apigee-provision, apigee-validate, apigee-zookeeper, apigee-cassandra, apigee-openldap, edge-management-server, edge-ui, edge-router, edge-message-processor, apigee-postgresql, apigee-qpidd, edge-postgres-server, edge-qpid-server などがあります。

  2. root ユーザーがノードに Edge RPM をインストールした後に、「apigee」ユーザーに対する sudo フルアクセス権限を持つユーザーが構成プロセスを完了させます。
    1. setup.sh ユーティリティを使用して、ノードでの Edge コンポーネントの構成を完了します。コマンドの形式は、ノードにインストールしたコンポーネントによって異なります。詳細については、ノードに Edge コンポーネントをインストールするをご覧ください。

      たとえば、ZooKeeper と Cassandra のインストールを完了するには、次のコマンドを使用します。

      /opt/apigee/apigee-setup/bin/setup.sh -p ds -f configFile

      ここで、configFile は Edge 構成ファイルです。

      また、オールインワン インストールを実行するには、次のコマンドを使用します。

      /opt/apigee/apigee-setup/bin/setup.sh -p aio -f configFile

インストール構成ファイルの場所

Edge インストールに関する情報を含む apigee-setup ユーティリティに構成ファイルを渡す必要があります。サイレント インストールの唯一の要件は、「apigee」ユーザーから構成ファイルへのアクセスと読み取りが可能であることです。たとえば、ノードの /usr/local/var または /usr/local/share ディレクトリにファイルを配置し、chown で「apigee:apigee」にします。

Edge システム管理者のパスワードを除き、構成ファイル内のすべての情報が必要です。パスワードを省略すると、apigee-setup ユーティリティでパスワードをコマンドラインに入力するよう求められます。

詳細については、ノードに Edge コンポーネントをインストールするをご覧ください。

インストール エラーの処理

Edge コンポーネントのインストール中にエラーが発生した場合は、問題を修正してインストーラを再試行できます。インストーラは、障害を検出した場合や、インストール後にコンポーネントの変更または更新が必要になった場合に、繰り返し実行されるように設計されています。

インストールや更新の後は、Edge UI コンポーネントが実行される各ノードを必ず再起動してください。

インターネットまたはインターネット以外のインストール

Edge をノードにインストールするには、そのノードが Apigee リポジトリにアクセスできる必要があります。

  • 外部インターネット接続があるノード

    外部インターネット接続があるノードは、Apigee リポジトリにアクセスして Edge RPM と依存関係をインストールします。

  • 外部インターネット接続がないノード

    外部インターネット接続がないノードは、内部に設定されたミラー バージョンの Apigee リポジトリにアクセスできます。このリポジトリにはすべての Edge RPM が含まれていますが、内部ネットワーク上のリポジトリから、他のすべての依存関係が使用可能であることを確認する必要があります。

    Apigee の内部リポジトリを作成するには、Edge RPM と依存関係がダウンロードできるように、ノードが外部とインターネット接続できるようにする必要があります。内部リポジトリを作成したら、そのリポジトリを別のノードに移動したり、そのノードを Edge ノードからアクセスできるようしたりして、インストールに使用できます。

ローカルの Edge リポジトリを使用して Edge のバージョンを維持する

ローカル リポジトリやミラーリングされたリポジトリを使用する理由の 1 つは、前のセクションで説明したように、外部インターネット接続がないノードに Edge をインストールするためです。

RPM インストールの依存関係の解決

Apigee Edge 配布ファイルは、RPM ファイルのセットとしてインストールされます。各 RPM ファイルには、独自のインストール依存関係のチェーンを設定できます。これらの依存関係の多くは、Apigee の管理外にあるサードパーティ コンポーネントによって定義されており、いつでも変更される可能性があります。したがって、このドキュメントには各依存関係の明示的なバージョン番号は記載されていません。

インターネット アクセスのあるマシン上でインストールを実行する場合は、ノードで必要な RPM と依存関係をダウンロードできます。しかし、インターネット アクセスがないノードからインストールする場合は通常、必要な依存関係のすべてが含まれる内部リポジトリを設定します。ローカル リポジトリにすべての依存関係が含まれることを保証する唯一の方法は、インストールを試行し、不足している依存関係があるかどうかを確認して、インストールが正常に完了するまでそうした依存関係をローカル リポジトリにコピーすることです。

一般的な Yum コマンド

Linux 用 Edge インストール ツールは、コンポーネントのインストールと更新を Yum に依存しています。ノード上のインストールを管理するには、複数の Yum コマンドの使用が必要な場合があります。

  • すべての Yum キャッシュをクリーニングする。
    sudo yum clean all
  • Edge コンポーネントを更新する。
    sudo yum update componentName

    例:

    sudo yum update apigee-setup
    sudo yum update edge-management-server

ファイル システム構造

Edge のファイルはすべて /opt/apigee ディレクトリにインストールされます。

このガイドと Edge のオペレーション ガイドでは、ルート インストール ディレクトリが次のように記載されています。

/opt/apigee

インストールでは、次のファイル システム構造を使用して Apigee Edge for Private Cloud をデプロイします。

ログファイル

apigee-setupsetup.sh スクリプトのログファイルは /tmp/setup-root.log に書き込まれます。

各コンポーネントのログファイルは、/opt/apigee/var/log ディレクトリに含まれています。コンポーネントごとに独自のサブディレクトリがあります。たとえば、Management Server のログは次のディレクトリにあります。

/opt/apigee/var/log/edge-management-server

次の表は、ログファイルの場所のリストです。

コンポーネント 場所

管理サーバー

/opt/apigee/var/log/edge-management-server

ルーター

/opt/apigee/var/log/edge-router

Edge Router は Nginx を使用して実装されます。追加のログについては、以下をご覧ください。

/opt/apigee/var/log/edge-router/nginx
/opt/nginx/logs

Message Processor

/opt/apigee/var/log/edge-message-processor

Apigee Qpid Server

/opt/apigee/var/log/edge-qpid-server
Apigee Postgres サーバー /opt/apigee/var/log/edge-postgres-server
Classic UI(コンポーネント名が edge-management-ui である新しい Edge UI ではありません) /opt/apigee/var/log/edge-ui
ZooKeeper /opt/apigee/var/log/apigee-zookeeper
OpenLDAP /opt/apigee/var/log/apigee-openldap
Cassandra /opt/apigee/var/log/apigee-cassandra/system.log
Qpidd /opt/apigee/var/log/apigee-qpidd
PostgreSQL データベース /opt/apigee/var/log/apigee-postgresql
apigee-monit /opt/apigee/var/log/apigee-monit

データ

コンポーネント 場所
管理サーバー /opt/apigee/data/edge-management-server
ルーター /opt/apigee/data/edge-router
Message Processor /opt/apigee/data/edge-message-processor
Apigee Qpid エージェント /opt/apigee/data/edge-qpid-server
Apigee Postgres エージェント /opt/apigee/data/edge-postgres-server
ZooKeeper /opt/apigee/data/apigee-zookeeper
OpenLDAP /opt/apigee/data/apigee-openldap
Cassandra /opt/apigee/data/apigee-cassandra/data
Qpidd /opt/apigee/data/apigee-qpid/data
PostgreSQL データベース /opt/apigee/data/apigee-postgres/pgdata
apigee-monit /opt/apigee/data/apigee-monit

インストール時のシステム チェックを有効にする

Edge インストールの構成ファイルでは、次のプロパティがサポートされます。

ENABLE_SYSTEM_CHECK=y

このプロパティを「y」に設定すると、インストールするコンポーネントの CPU とメモリの要件をシステムが満たしているかどうかがチェックされます。デフォルト値は「n」で、チェックが無効になっています。