Apigee ハイブリッドと Apigee Edge の比較

このセクションでは、Apigee ハイブリッドと Apigee Edge を比較します。

コンポーネント / サービスの比較

ほとんどのハイブリッド サービスには、対応する Apigee Edge コンポーネントがあります。そのため、ハイブリッド サービスは Apigee Edge ユーザーにとって目新しいものではありません。一般に、Apigee Edge for Public Cloud のユーザーはこれらのサービスについて知っておく必要はありません。

次の表に、共通の Edge サービスと、それが Edge for Public Cloud、Edge for Private Cloud、ハイブリッド モデルにどのような形で存在しているかを示します。

サービス Apigee プロダクトまたは機能領域
ハイブリッド Edge for Public Cloud Edge for Private Cloud
Analytics ランタイム プレーンのデータ収集 Pod は fluentdUDCA(Universal Data Collection Agent)を使用して分析データを収集し、そのデータを管理プレーンの UAP(Unified Analytics Platform)に供給します。 Apigee によって管理される Qpid サーバーと Postgres サーバー
API プロキシ ゲートウェイ Message Processor(MP)が受信リクエストを処理します。MP は、ランタイム プレーンで 1 つ以上のコンテナ化アプリとして実装されています。 Message Processor
永続性 Cassandra が、KMS、KVM、割り当て、キャッシュ機能のための永続性(データストア)を提供します。 Cassandra ノードまたはリング
デプロイ Synchronizer により、管理プレーンとランタイム プレーンの間で API プロキシ構成、環境情報、その他のデータが最新の状態に保たれます。 ZooKeeper
管理ユーザー インターフェース Apigee ハイブリッド UI は、管理プレーンでホストされるコンテナ化アプリです。 Apigee ハイブリッド UI は Management Server でホストされます。
負荷分散 Istio Ingress コントローラが、ランタイム プレーンの Router / Message Processor(RMP)コンテナ化アプリにリクエストを渡します。 Router
API Apigee API には Management ServerMART を通じてアクセスします。MART はローカル Cassandra データストアとやり取りし、Apigee API の API プロバイダとして機能します。ユーザーは MART を介してランタイム データ エンティティにアクセスし、これらを管理できます。 Management Server
指標 すべてのサービスに対応する単一の Prometheus サーバーがクラスタごとに存在し、このサーバーによって管理されます。 JMX で構成された各コンポーネント
 

機能の比較

以降のセクションで、ハイブリッドと Edge の機能を比較します。

現在の機能の違いの概要

次の表に、ハイブリッドと Edge / Apigee Edge for Private Cloud プラットフォームとの機能レベルの違いを示します。

機能 現在のハイブリッド の違い
Analytics

次の分析機能はサポートされていません。

  • データのエクスポート
API

Apigee ハイブリッドは Apigee API を使用します。

相違点の一覧については、サポートされていない Edge API をご覧ください。

API Monitoring

プロキシとターゲットの指標は Stackdriver で使用できます。そのデータに基づいてダッシュボードとアラートを構成できます。

API プロキシ リビジョン
  • デプロイ時に変更不可

詳細については、デプロイの概要をご覧ください。

Apigee Adapter for Istio 非対応
デプロイ
  • 非同期デプロイ
  • デプロイ ステータスの取得は、ランタイム プレーンが管理プレーンに最後にチェックインした時刻に基づきます。
環境
  • Apigee ハイブリッド UI と API を使用したセルフサービス
  • サービス トポロジの柔軟性が高い
  • ある MP Pod がサポートできる環境は 1 つだけ

詳細については、環境の管理をご覧ください。

拡張機能 非対応
Hosted Targets 非対応
キーストア / トラストストア
  • 上り方向は Kubernetes Secret として管理される
  • 下り方向は Apigee Edge 内として管理される
  • 参照はサポートされていない
KVM
  • ハイブリッド UI では、暗号化されていない、または暗号化された環境スコープの KVM マップを作成できます。UI で KVM エントリを追加、更新、表示することはできません。
  • Apigee API を使用して KVM エントリを追加、更新、一覧表示することはできません。*
  • KVM にエントリを追加するには、KeyValueMapOperations ポリシーを使用する必要があります。
  • KVM と同じユースケースの一部で、プロパティ セットを使用できます。プロパティ セットと KVM をご覧ください。

UI で KVM マップを作成する方法については、Key-Value マップをご覧ください。

Microgateway 非対応
Monetization 非対応
Node.js
  • Apigee ハイブリッドでは、Node.js API プロキシはサポートされていません。
  • Node.js アプリケーションは Kubernetes(同じクラスタまたは別のクラスタ)内の別のコンテナとしてホストすることをおすすめします。
  • Hosted Targets はサポートされていません。
OAuth 新しい Revoke OAuthv2 ポリシーは、エンドユーザー ID、アプリ ID、またはその両方によってトークンを取り消します。
組織
OpenAPI 仕様の管理 非対応
ポリシー
ポータル

次の機能は、統合ポータルではまだサポートされていません。

  • オーディエンス管理
  • カスタム ドメイン
  • デベロッパー チーム
  • デベロッパー アカウント管理ビュー
リソース
  • 組織レベルのリソースは使用できません。
ロールと権限
  • Google Cloud Platform(GCP)Console の IAM サービスを通じて管理されます。
  • キュレートされた事前定義の役割がいくつか用意されています。
  • 他の GCP 権限を含むカスタムロールを作成できます。

詳細については、ユーザーとロールをご覧ください。

Sense 非対応
[Build a Proxy] ウィザードの SOAP サービス 非対応
ツール 次のツールはハイブリッドではサポートされていません。
  • apigeetool
セッションのトレース / デバッグ

Apigee ハイブリッドでは、トレースに関して次の点が異なります。

  • トレースは非同期です。
  • Debug Sessions APIDebug Session Data API は、Edge の対応する API とは異なります。
  • フィルタは拡張されており、条件参照構文のサポートが追加されています。
  • セッション名の取り扱いとタイムアウトのデフォルト値は異なります。
  • データ マスキングはサポートされていません。

詳細については、トレースの違いをご覧ください。

仮想ホスト
  • Apigee 内で、または Apigee によって管理されていません。
  • ユーザー側で Kubernetes Ingress ポイントを管理する必要があります。
  • Istio ゲートウェイ(Envoy)が使用され、そこに証明書と鍵が配置されます。
  • OCSP ステープリングは Envoy でサポートされていません(2019 年 8 月現在)。
  • API プロキシで TLS 変数は使用できません。

詳細については、仮想ホストと環境についてをご覧ください。

WSDL プロキシ生成ツール 非対応
 

ハイブリッドで削除される Edge の機能

Google では、Apigee ハイブリッドで次の機能をサポートする予定はありません。

  • 以下の操作を行う API:
    • KVM エントリの操作
    • OAuth アクセス トークンの検索または取り消し(トークンはハッシュされるため)
  • Drupal 7 を使用したデベロッパー ポータルの開発
  • OAuth v1 または OAuthv1.0a ポリシー
  • レート制限ポリシーの ConcurrentRateLimit ポリシー
  • Trireme(2019 年 10 月 10 日にサポート終了)

API の比較

一般に、ほとんどの Apigee Edge API には対応する Apigee API があります。このセクションでは以下を示します。

API の使用に関する変更点のまとめ

すべての Apigee API に共通する、Apigee Edge API と比較した動作の変更点は次のとおりです。

動作 Apigee API Apigee Edge API
ベースドメイン apigee.googleapis.com api.enterprise.apigee.com
メディアタイプ application/json application/json
application/xml
認証 OAuth2 OAuth2、SAML、Basic
キーのタイムスタンプ String 形式

{
  "createdAt": "1234",
  "lastModifiedAt": "5678"
}
int64 形式

{
  "createdAt": 1234,
  "lastModifiedAt": 5678
}
expand=false クエリ パラメータの構造

{
  "proxies": [
    {
      "name": "helloworld"
    },
    {
      "name": "weather"
    }
  ]
}

[
  "helloworld",
  "weather"
]
先頭にアンダースコアが付いたクエリ パラメータ サポートされていない(optimal=true サポートされている(_optimal=true
ペイロード内の次のプロパティ:
  • created_by
  • modified_by
  • self
非対応 サポート
ペイロード内のデフォルト値 含まれていない 含まれている
エラー処理の構造

{
  "error": {
    "code": 409,
    "message": "...",
    "status": "ABORTED",
    "details": [...]
  }
}

{
  "code": "...",
  "message": "..",
  "contexts": []
}
キャッシュ削除のレスポンス 戻り値: 204 No Content 戻り値: 200 OK とキャッシュの詳細

サポートされていない Edge API

次の表に、サポートされていない Edge API(Apigee API に対応するものがない Edge API)の一覧を示します。

API カテゴリ サポートされていない Edge API
API Monitoring API のサポートなし
API プロキシ
  • API プロキシの強制的なデプロイ解除
  • npm の依存関係の取得
  • npm モジュールの管理
キャッシュログ API のサポートなし
カンパニー API のサポートなし
カンパニー アプリ API のサポートなし
カンパニー アプリ ファミリー API のサポートなし
カンパニー アプリキー API のサポートなし
デバッグ セッション
  • トレース セッションを停止できない
  • 個々のトランザクションを削除できない

詳細については、トレースの違いをご覧ください。

デベロッパー アプリ
  • API リソースの数の取得
デベロッパー アプリ ファミリー API のサポートなし
拡張機能 API のサポートなし
キーストア: トラストストア キーストアまたはトラストストアのテスト
キーストア: 証明書 organizations.environments.keystores.aliases API の使用
キーストア: 鍵 organizations.environments.keystores.aliases API の使用
LDAP API のサポートなし
Monetization API のサポートなし
OAuth V2 API のサポートなし
ポリシー API のサポートなし
リソース ファイル
  • API プロキシ リビジョン スコープ
  • 組織スコープ
Sense API のサポートなし
ユーザーとユーザーロール Google Identity and Access Management(IAM)関連 API の使用
仮想ホスト API のサポートなし