仮想ホストで TLS をサポートするように構成する際は、参照を使用してキーストアまたはトラストストアを指定します。参照とは、次のようなキーストアまたはトラストストアの名前を格納する変数です。これを使用すれば、キーストアまたはトラストストアの名前を直接指定しなくて済みます。
<SSLInfo> <Enabled>true</Enabled> <ClientAuthEnabled>false</ClientAuthEnabled> <KeyStore>ref://myTestKeystoreRef</KeyStore> <KeyAlias>myKeyAlias</KeyAlias> </SSLInfo>
通常、現在のキーストア内の証明書は近い将来に期限切れになります。そのため、参照を使用することには、仮想ホストで使用するキーストアを変更する際にその値を変更するだけでよいという利点があります。参照の値を変更する際、Edge Router を再起動する必要はありません。
参照はキーストアとトラストストアに対してのみ使用できます。エイリアスへの参照は使用できません。キーストアへの参照を変更するときは、証明書のエイリアス名が古いキーストアのものと同じであることを確認してください。
キーストアとトラストストアへの参照の使用に関する制限事項
キーストアとトラストストアへの参照を使用する際は、以下の制限事項を考慮する必要があります。
- 仮想ホストでキーストアとトラストストアへの参照を使用できるのは、SNI をサポートしていて、SSL を Apigee Router で終端する場合だけです。
- Apigee Router の前にロードバランサが存在し、TLS をロードバランサで終端している場合、仮想ホストでキーストアとトラストストアへの参照は使用できません。
参照の作成
Edge UI で参照を作成するには:
- Edge 管理 UI(https://enterprise.apigee.com)にログインします。
- Edge 管理 UI のメニューで、組織の名前を選択します。
- Edge UI のバージョンに応じて、次のようにします。
- Classic Edge UI を使用している場合は、[APIs] > [Environment Configuration] を選択します。
- New Edge UI を使用している場合は、[Admin] > [Environments] を選択します。
- 環境を選択します(通常は
prod
またはtest
)。 - [References] タブを選択します。
- [+ Reference] ボタンを選択します。次のポップアップが表示されます。
- 以下を指定します。
- 参照の名前。
- 参照によって参照されるエンティティ。つまり、キーストア名またはトラストストア名です。
- [Save] を選択します。
または、参照の作成 API 呼び出しを使用して、keystoreref という名前の参照を作成します。
curl -X POST -H "Content-Type:application/xml" https://api.enterprise.apigee.com/v1/o/{org_name}/e/{env_name}/references \ -d '<ResourceReference name="keystoreref"> <Refers>myTestKeystore</Refers> <ResourceType>KeyStore</ResourceType> </ResourceReference>' -u orgAdminEmail:password
この参照では、キーストアの名前とそのタイプを指定しています。同じ API 呼び出しを使用して、トラストストアへの参照を作成します。
参照の変更
Edge UI で参照の値を変更するには:
- Edge 管理 UI(https://enterprise.apigee.com)にログインします。
- Edge 管理 UI のメニューで、組織の名前を選択します。
- Edge UI のバージョンに応じて、次のようにします。
- Classic Edge UI を使用している場合は、[APIs] > [Environment Configuration] を選択します。
- New Edge UI を使用している場合は、[Admin] > [Environments] を選択します。
- 環境を選択します(通常は
prod
またはtest
)。 - [References] タブを選択します。
- [Reference] タブで、参照の [Edit] ボタンを選択します。
- 参照を更新して、新しいキーストアまたはトラストストアを指定します。注意: 新しいキーストアのエイリアスは、古いキーストアのエイリアスと同じ名前にしてください。
- [Save] を選択します。
別のキーストアを指すように参照を変更し、新しいキーストアのエイリアス名を古いキーストアのエイリアス名と同じにするには、参照の更新 API を使用します。
curl -X PUT -H "Content-Type:application/xml" https://api.enterprise.apigee.com/v1/o/{org_name}/e/{env_name}/references/keystoreref \ -d '<ResourceReference name="keystoreref"> <Refers>myNewKeystore</Refers> <ResourceType>KeyStore</ResourceType> </ResourceReference>' -u orgAdminEmail:password