PopulateCache ポリシー

キャッシュに保存された値がランタイム時に書き込まれる方法を構成します。

Populate Cache ポリシーは、短期の汎用キャッシュにエントリを書き込むために設計されています。このポリシーは、Lookup Cache ポリシー(キャッシュ エントリの読み取りに関するポリシー)および Invalidate Cache ポリシー(エントリの無効化に関するポリシー)と組み合わせて使用します。

バックエンド リソースのレスポンスのキャッシュについては、Response Cache ポリシーをご覧ください。

要素リファレンス

このポリシーで構成できる要素の一覧を以下に示します。

<PopulateCache async="false" continueOnError="false" enabled="true" name="Populate-Cache-1">
    <DisplayName>Populate Cache 1</DisplayName>
    <Properties/>
    <CacheKey>
        <Prefix/>
        <KeyFragment ref=""/>
    </CacheKey>
    <!-- Omit this element if you're using the included shared cache. -->
    <CacheResource/>
    <Scope>Exclusive</Scope>
    <ExpirySettings>
        <TimeoutInSeconds>300</TimeoutInSeconds>
    </ExpirySettings>
    <Source>flowVar</Source>
</PopulateCache>

<PopulateCache> 属性

次の表に、すべてのポリシーの親要素に共通する属性を示します。

属性 説明 デフォルト 要否
name

ポリシーの内部名。name 属性の値には、英字、数字、スペース、ハイフン、アンダースコア、ピリオドを使用できます。この値は 255 文字を超えることはできません。

管理 UI プロキシ エディタで <DisplayName> 要素を追加して、ポリシーのラベルに使用する別の自然言語名を指定することもできます。

なし 必須
continueOnError

ポリシーが失敗した場合にエラーを返すには、false に設定します。これは、ほとんどのポリシーで想定される動作です。

ポリシーが失敗した後もフローの実行を続行する場合は、true に設定します。

false 省略可
enabled

ポリシーを適用するには、true に設定します。

ポリシーを無効にするには、false に設定します。ポリシーがフローに接続されている場合でも適用されません。

true 省略可
async

この属性は非推奨となりました。

false 非推奨

<DisplayName> 要素

管理 UI プロキシ エディタで name 属性と一緒に使用して、ポリシーのラベルに使用する自然言語名を指定します。

<DisplayName>Policy Display Name</DisplayName>
デフォルト

なし

この要素を省略した場合、ポリシーの name 属性の値が使用されます。

要否 省略可
タイプ 文字列

<CacheKey> 要素

キャッシュに保存されているデータへの一意のポインタを構成する要素です。

キャッシュキーのサイズは 2 KB に制限されています。

<CacheKey>
    <Prefix>string</Prefix>
    <KeyFragment ref="variable_name" />
    <KeyFragment>literal_string</KeyFragment>
</CacheKey>

デフォルト:

なし

要否:

必須

型:

なし

<CacheKey> はキャッシュに保存される各データの名前を構成します。

実行時に、<KeyFragment> 変数には <Scope> 要素の値または <Prefix> の値が取り込まれます。たとえば次の場合、キャッシュキーは UserToken__apiAccessToken__<value_of_client_id> になります。

<CacheKey>
    <Prefix>UserToken</Prefix>
    <KeyFragment>apiAccessToken</KeyFragment>
    <KeyFragment ref="request.queryparam.client_id" />
</CacheKey>

<CacheKey> 要素は <Prefix><Scope> と組み合わせて使用します。詳細については、キャッシュキーの使用をご覧ください。

<CacheResource> 要素

メッセージを保存するキャッシュを指定します。

このポリシー(および対応する LookupCache ポリシーと InvalidateCache ポリシー)があらかじめ用意された共有キャッシュを使用している場合は、この要素を完全に省略します。

<CacheResource>cache_to_use</CacheResource>

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

文字列

キャッシュの構成方法については、環境キャッシュの作成と編集をご覧ください。

<CacheKey> / <KeyFragment> 要素

キャッシュキーに含める値を指定する要素です。この値を使用して、リクエストをキャッシュに保存されたレスポンスと照合するための名前空間が作成されます。

<KeyFragment ref="variable_name"/>
<KeyFragment>literal_string</KeyFragment>

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

なし

この要素には、キー(ユーザーが指定する静的な名前)または値(変数を参照して動的に設定されるエントリ)を指定できます。指定されたすべてのフラグメント(および接頭辞)が連結されてキャッシュキーが作成されます。

<KeyFragment>apiAccessToken</KeyFragment>
<KeyFragment ref="request.queryparam.client_id" />

<KeyFragment> 要素は <Prefix><Scope> と組み合わせて使用します。詳細については、キャッシュキーの使用をご覧ください。

属性

属性 デフォルト 必須 説明
ref string ×

値を取得する変数。この要素にリテラル値が含まれている場合は、使用できません。

<CacheKey> / <Prefix> 要素

キャッシュキーの接頭辞として使用する値を指定する要素です。

<Prefix>prefix_string</Prefix>

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

文字列

<Scope> 列挙値ではなく独自の値を指定するには、<Scope> の代わりにこの要素の値を使用します。この要素が定義されている場合、<Prefix> によって、キャッシュに書き込まれたエントリの先頭にキャッシュキー値が付加されます。<Prefix> 要素の値は <Scope> 要素の値をオーバーライドします。

<Prefix> 要素は <CacheKey><Scope> と組み合わせて使用します。詳細については、キャッシュキーの使用をご覧ください。

<ExpirySettings> 要素

キャッシュ エントリの有効期限を指定する要素です。この要素が存在する場合、<TimeoutInSeconds><TimeOfDay><ExpiryDate> の両方をオーバーライドします。

<ExpirySettings>
  <TimeOfDay ref="time_variable">expiration_time</TimeOfDay>
  <TimeoutInSeconds ref="duration_variable">seconds_until_expiration</TimeoutInSeconds>
  <ExpiryDate ref="date_variable">expiration_date</ExpiryDate>
</ExpirySettings>

デフォルト:

なし

要否:

必須

型:

なし

<ExpirySettings> / <ExpiryDate> 要素

キャッシュ エントリの有効期限の日付を指定する要素です。mm-dd-yyyy の形式を使用します。

<ExpirySettings>
    <ExpiryDate ref="{date_variable}">expiration_date</ExpiryDate>
</ExpirySettings>

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

文字列

属性

属性 説明 デフォルト 要否
ref

値を取得する変数。この要素にリテラル値が含まれている場合は、使用できません。

なし 省略可 文字列

<ExpirySettings>/<TimeOfDay> 要素

キャッシュ エントリの有効期限が切れる時刻を指定する要素です。HH:mm:ss の形式を使用します。この要素が存在する場合、この要素の兄弟 <TimeoutInSeconds><TimeOfDay> をオーバーライドします。

時刻は HH:mm:ss の形式で入力します。HH は 24 時間制の時間を表します。たとえば 14:30:00 は午後 2:30 です。

時刻のデフォルトの言語 / 地域とタイムゾーンは、コードが実行される場所によって異なります(ポリシーの構成時には確定していません)。

<ExpirySettings>
    <TimeOfDay ref="time_variable">expiration_time</TimeOfDay>
</ExpirySettings>

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

文字列

属性

属性 説明 デフォルト 要否
ref 有効期限の時刻の値を格納する変数。 なし 省略可 文字列

<ExpirySettings> / <TimeoutInSec> 要素

キャッシュ エントリが期限切れになるまでの秒数を指定する要素です。

<ExpirySettings> / <TimeoutInSeconds> 要素

キャッシュ エントリが期限切れになるまでの秒数を指定する要素です。この要素が存在する場合、この要素の兄弟 <TimeOfDay><ExpiryDate> がオーバーライドされます。

<ExpirySettings>
    <TimeoutInSeconds ref="duration_variable">seconds_until_expiration</TimeoutInSeconds>
</ExpirySettings>

注: ref が duration_variable から値を受け取らない場合に使用するデフォルトのタイムアウト値を指定します。

デフォルト:

なし

要否:

省略可

型:

文字列

属性

属性 説明 デフォルト 要否
ref タイムアウト値を格納する変数。
なし
省略可 文字列

<Scope> 要素

<Prefix> 要素が <CacheKey> 要素に指定されていない場合に、キャッシュキーの接頭辞を作成するために使用される列挙値です。

<Scope>scope_enumeration</Scope>

デフォルト:

「Exclusive」

要否:

省略可

型:

文字列

<Scope> の設定は、<Scope> の値に応じて接頭辞が付加されるキャッシュキーを決定します。たとえば、スコープが Exclusive に設定されている場合、キャッシュキーは次の形式になります。

orgName__envName__apiProxyName__deployedRevisionNumber__proxy|TargetName__ [ serializedCacheKey ]

<Prefix> 要素が <CacheKey> に含まれている場合、この要素の値が <Scope> 要素の値を置き換えます。有効な値には、以下の列挙値が含まれます。

<Scope> 要素は <CacheKey><Prefix> と組み合わせて使用します。詳細については、キャッシュキーの使用をご覧ください。

有効な値

Global

キャッシュキーが、環境にデプロイされているすべての API プロキシで共有されます。キャッシュキーは、orgName __ envName __ の形式で値の先頭に付加されます。

<KeyFragment> apiAccessToken と <Global> スコープを設定した <CacheKey> エントリを定義すると、各エントリは、シリアル化されたアクセス トークン値が続く orgName__envName__apiAccessToken として保存されます。たとえば、「apifactory」という組織の「test」という環境にデプロイされた API プロキシの場合、アクセス トークンはキャッシュキー apifactory__test__apiAccessToken で保存されます。

Application

API プロキシ名が接頭辞として使用されます。

キャッシュキーは、orgName__envName__apiProxyName の形式で値の先頭に付加されます。

Proxy

ProxyEndpoint 構成が接頭辞として使用されます。

キャッシュキーは、orgName__envName__apiProxyName__deployedRevisionNumber__proxyEndpointName の形式で値の先頭に追加されます。

Target

TargetEndpoint 構成が接頭辞として使用されます。

キャッシュキーは、orgName__envName__apiProxyName__deployedRevisionNumber__targetEndpointName の形式で値の先頭に追加されます。

Exclusive

デフォルト。これが最も特定的なスコープであるため、特定のキャッシュ内で名前空間が競合するリスクが最小限になります。

接頭辞は次のいずれかの形式をとります。

  • ポリシーが ProxyEndpoint フローに接続されている場合、接頭辞は ApiProxyName_ProxyEndpointName の形式になります。
  • ポリシーが TargetEndpoint に接続されている場合、接頭辞は ApiProxyName_TargetName の形式になります。

キャッシュキーは、orgName__envName__apiProxyName__deployedRevisionNumber__proxyNameITargetName の形式で値の先頭に追加されます。

たとえば、完全な文字列は次のようになります。


apifactory__test__weatherapi__16__default__apiAccessToken

<Source> 要素

キャッシュに書き込む必要がある値を持つ変数を指定します。

<Source>source_variable</Source>

デフォルト:

なし

要否:

必須

型:

文字列

使用上の注意

このポリシーは汎用キャッシュに使用します。ランタイムで、<PopulateCache> ポリシーでは <Source> 要素で指定した変数から <CacheResource> 要素で指定したキャッシュにデータを書き込みます。<CacheKey><Scope><Prefix> 要素を使用して、<LookupCache> ポリシーから値を取得するために使用できるキーを指定できます。キャッシュされた値の有効期限を設定するには、<ExpirySettings> 要素を使用します。

Populate Cache ポリシーLookupCache ポリシー、InvalidateCache ポリシーで汎用目的のキャッシュを使用する場合、ユーザーが構成したキャッシュかデフォルトの共有キャッシュが使用されます。ほとんどの場合、基盤となる共有キャッシュで十分なはずです。このキャッシュを使用するには、<CacheResource> 要素を省略します。

キャッシュの制限: さまざまなキャッシュの制限が適用されます(名前や値のサイズ、キャッシュの合計数、キャッシュのアイテム数、有効期間など)。

基盤となるデータストアについて詳しくは、キャッシュの仕組みをご覧ください。キャッシュの構成について詳しくは、環境キャッシュの作成と編集をご覧ください。

キャッシュの暗号化について

Edge for Public Cloud: キャッシュは、PCIHIPAA が有効にされた組織でのみ暗号化されます。これらの組織での暗号化は、組織のプロビジョニング時に構成されます。

エラーコード

このセクションでは、このポリシーによってエラーがトリガーされたときに返される障害コードとエラー メッセージ、Edge によって設定される障害変数について説明します。 これは、障害に対処する障害ルールを作成するうえで重要な情報です。詳細については、ポリシーエラーについて知っておくべきこと障害の処理をご覧ください。

ランタイム エラー

このエラーは、ポリシーの実行時に発生することがあります。

障害コード HTTP ステータス 発生時期
policies.populatecache.EntryCannotBeCached 500 エントリをキャッシュできない場合。キャッシュされるメッセージ オブジェクトが、シリアル化可能なクラスのインスタンスではない場合。

デプロイエラー

以下のエラーは、このポリシーを含むプロキシをデプロイするときに発生することがあります。

エラー名 原因 修正
InvalidCacheResourceReference このエラーは、API プロキシがデプロイされている環境に存在しない名前に PopulateCache ポリシーの <CacheResource> 要素が設定されている場合に発生します。
CacheNotFound <CacheResource> 要素で指定されたキャッシュが存在しません。

障害変数

このポリシーがエラーをトリガーした場合は、次の変数が設定されます。詳細については、ポリシーエラーについて知っておくべきことをご覧ください。

変数 説明
fault.name="fault_name" fault_name は、上記のランタイム エラーの表に記載されている障害の名前です。障害名は、障害コードの最後の部分です。 fault.name = "EntryCannotBeCached"
populatecache.policy_name.failed policy_name は、障害が発生したポリシーのユーザー指定の名前です。 populatecache.POP-CACHE-1.failed = true

エラー レスポンスの例

{
  "fault": {
    "faultstring": "[entry] can not be cached. Only serializable entries are cached.",
    "detail": {
      "errorcode": "steps.populatecache.EntryCannotBeCached"
    }
  }
}

障害ルールの例

<FaultRule name="Populate Cache Fault">
    <Step>
        <Name>AM-EntryCannotBeCached</Name>
        <Condition>(fault.name Matches "EntryCannotBeCached") </Condition>
    </Step>
    <Condition>(populatecache.POP-CACHE-1.failed = true) </Condition>
</FaultRule>