Java コールアウトのプロパティの使用方法

Java コールアウトとは

Java コールアウトを初めて使用する場合は、Java コールアウトの作成方法から始めることをおすすめします。

Java コールアウトでのプロパティの使用

プロパティを使用すると、ランタイムに Java コードからアクセスできる Java Callout ポリシーに name / value ペアを指定できます。各プロパティにリテラル文字列値を指定する必要があります。この要素ではフロー変数を参照できません。

プロパティを使用する簡単な Java コールアウトについて考えてみましょう。この例では、Java Callout ポリシーを含むプロキシを作成します。このポリシーでは、<Properties> 要素を使用して name / value ペアを指定します。Java コードで値を取得し、レスポンス ヘッダーに設定します。

プロジェクトをダウンロードする

このプロジェクトは、GitHub の Apigee api-platform-samples リポジトリからダウンロードできます。

  1. システムに api-platform-samples をダウンロードするか、クローンを作成します。
  2. ターミナルまたは任意のコードエディタで api-platform-samples/doc-samples/java-properties プロジェクトに移動します。

Java Callout ポリシー

このポリシーでは <Properties> 要素を使用します。この要素を使用して name / value ペアを指定します。ランタイムに、Java コードがポリシーで指定された値にアクセスします。

<JavaCallout name="java-callout">
    <ClassName>com.apigeesample.JavaProperties</ClassName>
    <ResourceURL>java://edge-custom-policy-java-properties.jar</ResourceURL>
    <Properties>
        <Property name="prop">WORLD!</Property>
    </Properties>
</JavaCallout>

サンプル Java コード

このサンプルの Java コードは、Java Callout ポリシーで指定されたプロパティを取得します。サンプル プロジェクトの java-properties/callout/src/main/java/JavaProperties.java にソースコードがあります。以下では、次のコードをコンパイルしてデプロイする方法を説明します。

package com.apigeesample;

import com.apigee.flow.execution.ExecutionContext;
import com.apigee.flow.execution.ExecutionResult;
import com.apigee.flow.execution.spi.Execution;
import com.apigee.flow.message.MessageContext;

import java.util.Map;

public class JavaProperties implements Execution {

	private Map <String,String> properties; // read-only

	public JavaProperties(Map <String,String> properties) {
	        this.properties = properties;
	}

	public ExecutionResult execute(MessageContext messageContext, ExecutionContext executionContext) {

		try {

		    messageContext.getMessage().setHeader("X-PROPERTY-HELLO", this.properties.get("prop"));

            return ExecutionResult.SUCCESS;

		} catch (Exception e) {
			return ExecutionResult.ABORT;
		}
	}
}

Maven でコードをコンパイルする

このプロジェクトは Maven でコンパイルできるように設定されています。javac を使用する場合は、この後の例をご覧ください。

  1. Maven がインストールされていることを確認します。
    mvn -version
    
  2. java-properties/buildsetup.sh スクリプトを実行します。このスクリプトにより、必要な JAR 依存関係がローカルの Maven リポジトリにインストールされます。
  3. cd で java-properties/callout ディレクトリに移動します。
  4. Maven を実行します。
    mvn clean package
    
  5. 必要であれば、JAR ファイル edge-custom-policy-java-properties.jarjava-properties/apiproxy/resources/java にコピーされていることも確認してください。これは、プロキシでデプロイする JAR ファイルに必要な場所です。

javac でコンパイルする(任意)

javac でコードをコンパイルする場合は、java-properties ディレクトリから次の操作を行います。必要な JAR ファイルは、java-properties/lib ディレクトリに用意されています。

  1. cd で api-platform-samples/doc-samples/java-properties に移動します。
  2. javac がパスに含まれていることを確認します。

    javac -version
    
  3. 次の javac コマンドを実行します。

    javac -d . -classpath ./lib/expressions-1.0.0.jar:./lib/message-flow-1.0.0.jar:. callout/src/main/java/JavaProperties.java
    
  4. JAR ファイルを作成します。

    jar -cvf edge-custom-policy-java-properties.jar ./com/apigeesample/JavaProperties.class
  5. JAR ファイルを apiproxy/resources/java ディレクトリにコピーします。これは、プロキシでデプロイする JAR ファイル用に必要な場所です。
    cp edge-custom-policy-java-properties.jar apiproxy/resources/java
    

プロキシをデプロイして呼び出す

デプロイ スクリプトは ./java-properties ディレクトリにあります。ただし、スクリプトを実行する前に、クイック設定を行う必要があります。

  1. cd で api-platform-samples/doc-samples/java-properties に移動します。
  2. ../../setup/setenv.sh ファイルをまだ編集していない場合は、このファイルを開いて、Apigee アカウント情報に合わせてユーザー名(アカウントに関連付けられたメールアドレス)、組織名、API 管理呼び出しを行うために使用するドメインを編集します。たとえば、Edge Cloud の場合、ドメインは https://api.enterprise.apigee.com ですが、Edge Private Cloud を使用している場合はドメインが異なる可能性があります。
  3. setenv.sh ファイルを保存します。
  4. deploy スクリプトを実行します。
    ./deploy.sh
    
  5. デプロイが成功したら、invoke スクリプトを実行します。
    ./invoke.sh
    

    invoke スクリプトは、次のような cURL コマンドを呼び出します。

    curl  http://$org-$env.$api_domain/java-properties
    

    プロキシが X-PROPERTY-HELLO: WORLD! ヘッダーを返します。このポリシーでは、name / value ペア "prop/WORLD!" を追加しています。Java コールアウトが値 "WORLD!" を取得し、X-PROPERTY-HELLO というヘッダーに設定します。

    messageContext.getMessage().setHeader("X-PROPERTY-HELLO", this.properties.get("prop"));